Salesforce の標準機能だけで、見積書の PDF を作って顧客にメールで送るところまではできます。商談から見積を作り、テンプレートで体裁を整え、PDF を見積に保存してそのまま送る流れです。

一方、販売業・商社の見積書では、取引先ごとの掛率、社印の入れ方、見積から請求へのつなぎで足りなくなる場面が出ます。この記事では、標準機能の手順を要点だけ示し、どこから先が別の仕組みになるかを整理します。

この記事は標準機能の手順と限界の確認に絞ります。ERP Platform の帳票全般は見積書・納品書・請求書の発行コラム、見積を請求書までつなぐ話は見積データを請求書までつなぐ方法で扱います。

標準の見積機能でできること

Salesforce の見積は、商談に紐づけて作ります。公式ヘルプによると、見積の機能は Sales では Professional、Enterprise、Unlimited の各エディションなどで使えます。

標準の機能で、次のことができます。

  • 商談の関連リストから見積を作る
  • 標準のテンプレート、または自社で作ったテンプレートで PDF を作る
  • 作った PDF を見積に保存する
  • PDF を添付して顧客にメールで送る

見積書の宛名、明細、合計といった基本の形は、標準のテンプレートで整えられます。営業担当者は商談の画面から離れずに見積を作れるため、顧客情報や商談の進み具合と見積を、同じ場所で見比べられます。

見積書を作って送る手順

管理者の準備と、営業担当者の操作に分けて見ます。

管理者の準備

設定の「クイック検索」に「Quote」と入れ、見積の設定画面を開きます。見積を有効にし、商談のページレイアウトに見積の関連リストを出します。見積テンプレートの作成には「アプリケーションのカスタマイズ」の権限が必要です。見積の有効化に必要な権限は、公式ヘルプで確認してください。

次に、見積テンプレートを作ります。ヘッダー、本文、フッターに項目をドラッグして配置します。テンプレートで使える項目や PDF の制限は、公式ヘルプの見積テンプレートの注意事項のページで確認してください。

営業担当者の操作

  1. 商談を開き、見積を新規作成する
  2. 見積に商品、数量、価格を入れる
  3. PDF を作成し、テンプレートを選ぶ
  4. プレビューを確認して、見積に保存する、またはメールで送る

PDF の作成とメール送信に必要な権限は、自社のプロファイルと権限セットの設定とあわせて、公式ヘルプで確認してください。

ロゴと社印を入れる

標準のテンプレートでは、「テキスト/画像項目」を使うと、ロゴなどの画像を置けます。画像の入れ方は、公式ヘルプの見積テンプレートに画像を追加する手順で確認できます。

社印も、画像としてテンプレートに置く形になります。担当者や部署ごとに印影を切り替えられるかは、公式ヘルプと自社の Salesforce 環境で確かめてください。切り替えが必要かどうかを先に決めておくと、確認がしやすくなります。

ERP Platform for Salesforce では、社印とロゴの画像を Salesforce の静的リソースに登録すると、見積書などの帳票に反映されます。

標準の見積機能で足りなくなる場面

ここから先が「できないこと・向かないケース」です。

場面 標準の見積機能 ERP Platform
帳票の種類と社印 標準のテンプレートで見積書の PDF を作れる。ロゴは画像項目で置ける。社印の置き方は公式ヘルプで確認する 見積書、注文書、納品書、請求書、返還請求書を標準搭載。社印・ロゴを登録して出力できる
取引先別の掛率 掛率の持ち方は自社で決める必要がある 取引先ごと、商品ごとの掛率を商談作成時に自動適用
送信までの手数 見積作成、PDF 作成、保存、メール送信と画面を進む テンプレート登録で、作成から送信まで最短 5 クリック
見積のあと 標準の見積機能は、見積書の PDF 作成とメール送信が中心です。請求書の発行は、別の仕組みで考える必要があります 納品レコードがすべて作成された時点で請求書を作成

テンプレートで使える項目や注意点は、公式ヘルプの見積テンプレートの注意事項のページにまとまっています。複雑な帳票を作る前に、一度目を通すことをおすすめします。

自社に標準機能で足りるかは、次の 3 点で判断できます。

  • 見積の価格が、取引先によって変わるか。変わるなら、掛率の持ち方が最初の課題になります
  • 見積書に載せる項目が、標準の見積の項目で足りるか。足りないなら、項目を足す作業が要ります
  • 見積のあとの請求と仕訳を、同じ Salesforce で扱いたいか。扱いたいなら、見積書だけを整えても解決しません

3 点とも当てはまらないなら、標準機能のままで十分な場合もあります。その場合は、アドオンを入れる必要はありません。

販売業・商社の見積で、掛率をどう扱うか

卸売や商社では、同じ商品でも取引先によって掛率が違います。標準の見積には、取引先ごとの掛率をそのまま持たせる項目は見当たりません。そのため、掛率の持ち方(価格表や独自の項目など)は自社で決める必要があります。ERP Platform では、取引先ごと、商品ごとに掛率を登録すると、商談作成時に自動で適用されます。考え方と設定は取引先別の掛率を管理する方法で、機能全体は販売管理機能のコラムで詳しく扱っています。

外部の帳票ツールと、アドオンで足す場合の考え方

見積書の体裁だけを整えたいなら、外部の帳票ツールを足す方法があります。ただし、見積の価格ルールや、その後の請求、仕訳は別に考える必要があります。

見積から請求、在庫、仕訳までを同じ Salesforce で扱いたいなら、アドオンで足す方法も選べます。ERP Platform は、仕訳を取引の発生と同時に Salesforce 上で作ります。会計ソフトへは CSV 出力で取り込みます。会計ソフトと直接つなぐ機能はありません。

ERP Platform が向かないケース

  • Service Cloud だけを使っている場合。標準オブジェクトの「見積」が必要なため、使えません。Sales Cloud の Enterprise エディション以上が必要です
  • 見積を外貨建てで出したい場合。販売側は日本円のみです
  • EC サイト経由の受注で掛率を使いたい場合。EC コネクター経由では、EC サイト側の価格が適用され、掛率は効きません
  • 商品を仕入れて売る業態(販売業・商社・卸売・小売・EC 運営)か、サービス業の帳票用途に当てはまらない場合。対象業種は製品ページで確認してください

見積書の体裁にこだわりが強く、自由にデザインしたい場合は、まず標準のテンプレートで足りるか確認してください。

まず試すには

ERP Platform for Salesforce は、30 日間の無料トライアルがあります。ロゴ、社印、掛率が見積書に反映されるかを、実データで確かめられます。本番契約の前に、Sandbox で試すこともできます。

試すときは、いま使っている見積書を 1 枚用意し、ロゴ、社印、取引先別の価格が出力に反映されるかを順に見ると、判断がしやすくなります。体裁をどこまで自社の形に近づけられるかは設定によるため、導入前に確認してください。

料金は月額 2,000 円/ユーザーからで、Sales Cloud の Enterprise エディション以上が別途必要です。詳しくは料金ページ、機能は製品ページをご覧ください。製品ページには、見積 PDF の発行からメール送信までのデモ動画もあります。

まとめ

  • 標準の見積機能で、見積書の PDF 作成からメール送信までできる
  • ロゴは画像項目で置ける。社印も画像として置く形になる
  • テンプレートには制限事項があるので、複雑な帳票は公式ヘルプで確認する
  • 取引先別の掛率は、標準の見積の外で持ち方を決める必要がある
  • ERP Platform なら、掛率の自動適用と、見積から請求書までの流れを同じ場所で扱える

よくある質問

Salesforce の標準機能で見積書の PDF は作れますか?

作れます。商談から見積を作り、テンプレートを選んで PDF を作成し、見積に保存するかメールで送れます。見積の機能は、Sales では Professional、Enterprise、Unlimited の各エディションなどで使えます。

見積書にロゴや社印を入れられますか?

標準のテンプレートでは、テキスト/画像項目で画像を置けます。ERP Platform では、社印とロゴの画像を静的リソースに登録して帳票に反映します。

取引先ごとの掛率を見積に自動で反映できますか?

ERP Platform なら、取引先ごと、商品ごとの掛率を商談作成時に自動適用できます。ただし EC コネクター経由の受注は EC サイト側の価格が適用され、掛率は効きません。

ERP Platform は Service Cloud だけでも使えますか?

使えません。標準オブジェクトの「見積」が必要なため、Sales Cloud の Enterprise エディション以上が必要です。30 日間の無料トライアルがあります。


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