倉庫が複数になったら、「誰が、どの倉庫から出庫するか」を先に決めておくと、出庫元の取り違えを減らせます。ERP Platform for Salesforce は、複数の在庫場所を登録でき、組織グループ別に出庫できる倉庫を制限できます。この記事では、この制限をどう運用に落とすかを整理します。

Salesforce 上で販売管理システムや在庫管理システムの役割を持たせたい方に向けた内容です。複数拠点や契約倉庫を持つ販売業・商社の、情シス、経営企画、物流・営業事務の方を想定しています。

倉庫が複数になると起きること

倉庫が1か所のうちは、出庫元を意識する場面はほとんどありません。拠点や契約倉庫が増えると、次のような困りごとが出てきます。

  • 受注した拠点とは別の倉庫から出庫してしまい、在庫数が合わなくなる。
  • 出庫元の判断が担当者の経験頼みになり、人によって選ぶ倉庫が変わる。
  • 契約倉庫の在庫を、別の拠点の担当者が誤って使ってしまう。

在庫の数字は、出庫元が正しく記録されて初めて信頼できます。倉庫を増やすことと同じくらい、「誰がどの倉庫から出せるか」というルール作りが、基幹システムとしての在庫管理には欠かせません。

在庫管理全体の考え方は、Salesforce で在庫管理を完結させるで説明しています。この記事は、複数倉庫の出庫元を決める運用に絞ります。

在庫場所を登録して、倉庫ごとに在庫を持つ

出庫の制限を考える前に、まず倉庫を在庫場所として登録します。ERP Platform では、自社倉庫や契約倉庫など、複数の在庫場所を設定できます。拠点ごとの在庫数や、入荷ロット別の在庫を管理・集計できます。

在庫場所には、在庫場所名、取引先、デフォルト、有効といった項目があります。それぞれの項目が画面でどう働くかは、導入前にトライアルや当社の担当者への確認で確かめてください。

登録で最初に決めておきたいのは、名前のつけ方です。「東京倉庫」「大阪倉庫」「契約倉庫A」のように、現場の呼び方と一致させておくと、営業事務と物流で同じ名前を使えます。

組織グループ別に、出庫できる倉庫を制限する

ERP Platform には、組織グループ別の出庫制限があります。「このグループは、この倉庫からしか出庫できない」という決め方ができます。

制限のために使う設定には、次のような項目があります。

  • 組織設定とユーザーを結びつける項目。
  • 組織設定と在庫場所を結びつける項目。

また、AppExchange の掲載では、ユーザーごとの出荷可能倉庫も制御できると案内しています。つまり、制限は組織グループ別にもユーザー別にも考えられます。どちらの単位で設定するのが自社に向くかは、組織の作り方や異動の頻度によって変わります。

この記事は、公開している機能の範囲で説明しています。設定の細かい仕組みや、制限が働いたときの画面の動きは、導入前に確認してください。

運用設計の例

ここからは、制限の使い方を考えるための例です。数や名前は説明のための仮のものです。また、ここで挙げる運用は設計の考え方で、すべての設定が製品でそのまま実現できると約束するものではありません。実現できるかは、トライアルで確かめてください。

例1:拠点ごとに出庫元を固定する

東京と大阪に拠点があり、それぞれ自拠点の倉庫から出庫する会社の例です。東京の営業・物流は東京倉庫だけ、大阪は大阪倉庫だけから出庫する、という決め方です。

こうしておくと、東京の担当者が大阪の在庫を誤って使う余地が小さくなります。拠点ごとの在庫数が実態と合いやすくなります。

例2:契約倉庫は、担当する組織だけが出庫する

契約倉庫に在庫を預けている会社の例です。契約倉庫の在庫は、その倉庫を担当する組織だけが出庫する、という決め方です。外部倉庫は、自社倉庫と違って運用のルールが別になっている会社も多いものです。担当する組織を絞っておくと、誰に聞けばよいかが明確になります。

例3:他拠点の在庫が必要なときの扱いを決めておく

拠点ごとに出庫元を固定すると、拠点の在庫が足りないときに、他の拠点の在庫を使えるのかが問題になります。複数の倉庫を使える組織を本社に置いて手配を任せる、といった形が考えられますが、そのような設定ができるかは、導入前に確認が必要です。

確認の結果にかかわらず、「全員が全部の倉庫を使える」状態を標準にしないことが大切です。全員に開放すると、出庫元の判断が個人任せに戻ります。

設計のときに決めておくこと

  1. 倉庫の一覧と、それぞれの持ち主(どの組織が責任を持つか)。
  2. 組織の区切り。拠点単位か、部門単位か。
  3. 例外の扱い。他拠点の在庫を使うときの承認や、誰が手配するか。
  4. 組織の異動や新設のときに、誰が設定を直すか。

製品の設定より前に、この4つを紙に書き出しておくと、導入時の迷いが減ります。

制限と合わせて確認したいこと

出庫の制限は、在庫の正しさを守るための仕組みです。あわせて、次の点を導入前に確かめておくと安心です。

  • 自社の組織の区切りが、設定する組織の単位と合っているか。
  • 制限を組織グループ別にするか、ユーザー別にするか。
  • 他拠点の在庫を使うときの、実際の手順をどうするか。
  • 制限が働いたとき、画面でどう表示されるか。

他拠点の在庫の使い方や、倉庫間の在庫の動かし方は、当社の担当者に導入前に確認してください。この記事では、公開している機能の範囲を超える運用は書いていません。

受注から出荷までの流れ全体は、Salesforce で在庫・受注管理を効率化するで紹介しています。棚卸資産や月次の集計との関係は、Sales Cloud を ERP 化する実務ガイドが参考になります。

始め方と費用

ERP Platform for Salesforce は、Sales Cloud の Enterprise エディション以上があれば、AppExchange から30日間無料で試せます。月額は1ユーザー2,000円です。

まずトライアルで、次の順に確かめるのがおすすめです。

  1. 自社の倉庫を、在庫場所として2〜3か所登録する。
  2. テスト用のユーザーと組織の設定を用意し、使える倉庫の制限を試す。
  3. 制限をかけたユーザーで出庫を試し、自社の運用に合う動きかを確かめる。

料金の詳細は料金ページ、機能の一覧は製品ページにあります。

まとめ

  • 倉庫が複数になったら、「誰がどの倉庫から出庫するか」を先に決めます。
  • ERP Platform は、複数の在庫場所を登録でき、組織グループ別に出庫できる倉庫を制限できます。
  • AppExchange の掲載では、ユーザーごとの出荷可能倉庫の制御にも触れています。組織とユーザーのどちらで決めるかは、自社の体制で選びます。
  • 拠点ごとに固定する、契約倉庫の担当を絞るといった設計を、運用の例として紹介しました。
  • 他拠点の在庫の扱いや画面の動きは、導入前に確認してください。

よくある質問

Salesforce で複数の倉庫を管理できますか?

ERP Platform for Salesforce では、自社倉庫や契約倉庫など複数の在庫場所を設定でき、拠点ごとの在庫数や入荷ロット別の在庫を管理・集計できます。

倉庫ごとに出庫できる人を分けられますか?

組織グループ別の出庫制限があり、このグループはこの倉庫からしか出庫できない、という決め方ができます。AppExchange の掲載では、ユーザーごとの出荷可能倉庫の制御にも触れています。どちらの単位が向くかは自社の体制で選び、設定の細かい仕組みは導入前に確認してください。

他の拠点の在庫を使いたいときはどうしますか?

公開している仕様では、グループごとに出庫できる倉庫を制限できる、という範囲までを案内しています。他拠点の在庫を使うときの画面上の扱いは、この記事では断定できません。運用としては、例外を承認する人と手配する組織を先に決め、トライアルで実際の動きを確かめてください。

出庫制限を試すにはどうすればよいですか?

Sales Cloud の Enterprise エディション以上があれば、AppExchange から30日間無料で試せます。月額は1ユーザー2,000円です。


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