大規模点群処理ソフト Infipoints(インフィポインツ)を徹底解説

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InfiPoints(インフィポインツ)は多彩な機能が搭載された大規模点群データ用活用ソフトウェアです。これがあれば後はソフトウェアは要らないといっても過言ではありません。このページでは当社ファクトリー・イノベーションが測定作業者ならびに設計者の立場からInfipoints(インフィポインツ)について解説します。

InfiPoints(インフィポインツ)とは?

InfiPointsは地上型3Dレーザースキャナー等で取得された空間の点群情報を処理するための総合的な機能を備えた「点群処理ソフトウェア」です。

地上型3Dレーザースキャナーの軽量化で普及が広がりはじめた2010年頃は「スキャナーメーカー純正のソフトウェは工場まるごとなどの大規模点群が表示できない」という課題がありました。既にハードウェアは数億点の点群を高速に取得できるスペックに達していましたが、ソフトウェアやPCスペックが追いついてなかった背景がありました。そんな中に登場したのがInfiPointsです。国産ソフトウェア会社「エリジオン」は3D CADトランスレーターソフトなどでデータ処理で既に高い評価があり、彼らが発表したInfiPointsに読み込まれた点群データは同一スペックのワークステーションで メーカー純正ソフトより高い描画能力(点群をグリグリ回してもサクサク動く)があり感動致しました(筆者談)。

また当時3Dレーザースキャナーのデータ結合には「ターゲット」と呼ばれる十字のマーカーやボールを現場に配置してそれを手がかりにデータを結合する手法が一般的でしたが、InfiPointsは点群同士の形状認識でデータ結合ができる「 マーカレス結合」をいち早く実装しました。年々機能が強化され、誤って写り込んだ不要なデータ(人物や信号待ちの車)などを自動で消せる「 ノイズ除去機能」も搭載しています。また点の密度を均質化したり、点群のカラーバランスを調整したりと、非常に優秀な前処理機能を搭載しています。※前処理…計測された点群で図面を書いたり、3D CADモデルを作ったりは計測から得られる成果物で「後処理」と呼ばれているのに対して、その前の準備段階の作業を「前処理」と読んでいます。

Infipointsの主な機能

点群データのインポートから成果物の作成まで一貫して作業を行えるのがInfiPointsの大きな強みです。

点群処理の各種機能を総合的に備えたInfiPoints

特徴① 豊富な前処理機能

マーカーレスでの位置合わせ – 複数データの結合にマーカー(ターゲット)を必要としません。独自のアルゴリズムで点群データ間のオーバーラップ箇所を抽出して高速かつ正確に結合します。




自動ノイズ除去 – 計測中に映り込んでしまった人や車、3Dレーザースキャナー特有の引きノイズを自動で削除します。




描画用点群 – 重複している点を削除し、感覚も均等にすることで非常に軽量な(サクサク動く)点群を作成できます。



ここが良いInfiPointsの前処理機能 – 3Dレーザースキャナーメーカーも独自に前処理ソフトを持っていますがInfiPointsを持っていればそちらを購入する必要がないです(初期導入コスト・保守費用削減)。自動ノイズ除去は性能が高く「ノイズじゃないもの」を消されたりすることが殆どありません。また消されたとしても別レイヤーに保存されているので復元も容易です。

>>Infipointsの前処理機能をさらに詳しく見る

特徴② 各種解析機能

点群データ内での採寸 – 点群から平面や円筒を自動抽出した後に平面間距離や、円筒直径、円筒間距離など机上での寸法測定が可能です。


CADモデルと点群の比較 – 点群データとCADデータを比較することで実形状の偏差や平面度を確認できます。


設備と周辺との干渉チェック – 点群データ内に新設設備のCADデータをインポートするとぶつかっている所がチェックできます。この機能を使って干渉チェックや搬入ルートの確認が行なえます。

ここが良いInfiPointsの解析機能 – 計測の仕事をしていると現場でメジャーを使って寸法を測ってメモに書いて。。と業界人であれば誰しも経験する作業です。点群を使用すると「現場をまるごと事務所に持って帰れる」ので測り忘れや測り間違い(このメモ本当にあってる?)があった時に現場へ戻らずとも再計測が机上でできるのです。計測の仕事はクライアントの工場へお邪魔して計測することも多く「すいません、もう一回計測させてください」と簡単にお願いできない事も多いですから「  手元に現場がある」のは非常にメリットがあります。(遠方の場合、上司に再度出張申請するのも嫌ですよね。。。)

また、配管同士の円中心距離・遮蔽物を挟んだ対象物間など メジャーの手計測では難しい計測も点群データ内で用意に行えます。任意の場所で断面を切って計測も可能です。

>>寸法計測をさらに詳しく見る

特徴③ モデリング機能

ここが良いInfiPointsのモデリング機能 – 現況をゼロから3Dモデリングするのは非常に工数のかかる作業です。InfiPointsで自動抽出された平面・配管をCADソフトへ出力するのことで概ね 60-70%完成した段階からモデリングを始めることが可能です。自動で抽出されなかった部分も数回のクリックで継ぎ足しができます。

CADモデル化 – BIMやリバースエンジニアリングのために点群データからCADモデルを作製する必要がある場合もInfipointsのCADモデル自動抽出機能(平面・配管)を使えばゼロからのモデリングと比較して大幅な工数削減が可能です。平面・配管・鋼材・ダクトのモデリングが可能です。

Rebro/Tfas/Revit連携 – Infipointsで抽出されたCADデータをRebro/Tfas/Revit形式で出力が可能です。これによりRebro/Revitエンジニアは現況モデルをモデリングするさい概ね70%程度モデリングされた状態から作業を開始する事が可能です。


配管点群

① InfiPointsに点群データをインポート


配管自動抽出

② 全体の60-70%を自動抽出後、系統フランジ追加・系統を確認


CADで追加修正

③ お使いのCADソフトへ取り込み最終調整

>>モデリング機能をさらに詳しく見る

InfiPoints操作手順動画ライブラリー

壁などの平面モデリング手順を動画で説明



配管のモデリングを動画で説明

寸法測定の手順を動画で説明


鋼材のモデリング手順を動画で説明

新季節の搬入シミュレーション

CADモデルとの比較手順

その他 – 各種成果物作成

点群のポリゴン化 – 点群データないの一部をポリゴン化してグループ化が可能です。ポリゴン化された点群は自由に移動させることができるので工場内のレイアウト変更を机上で検討することができます。

フライスルー動画 – 点群データの中を自由に飛んだり歩いたりする動画が作製できます。まるでドローンで撮影したようなインパクトのある動画の作製が可能です。

オルソ画像の作製 – 真上から見て歪みのないオルソ画像を作製する事ができるので、平面図や立面図として使用することが可能です。

VR機能 – ヘッドセットマウントを装着すれば没入して点群データを確認できます。複数人で同時に作業することで現況確認や工事完了後のイメージを3Dで共有でき施工後のイメージ違いなど手戻りを防ぐことが可能になります。

ライセンス不要の閲覧用ファイル – Infipointsライセンスを所有しているユーザーはそのデータ専用の閲覧用ファイルの作製・配布が可能になります。閲覧用ファイルはライセンスが不要で誰も閲覧・コメント入力・寸法付与が可能になります。

InfiPointsに点群を取り込むためのスキャナー

Matterport Pro3

200万円を切る本体価格で半径100mのLiDARと4K高画質パノラマカメラを搭載しています。




FARO Focusシリーズ

寸法精度±1mmを誇るフラッグシップモデル。

配管の変異までを捉える詳細な測定や詳細度の高いモデリングを行うために質の高い点群データの取得が可能です。




FARO Orbis

手に持って歩きながら測定を行うSLAM方式のレーザースキャナーです。

広範囲を迅速に撮影し現況を把握するのに適しています。

お困りごとなどございましたら、
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